小さな村の小さなパン屋さん

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信州大学入学をきっかけに長野県に暮らし始め、2012年に「まめぱんや」というパン屋さんをご自宅の敷地内に開業した梶谷由里さん(40)。現在はお一人でパン屋を切り盛りしながら、ご主人と3人のお子さんと共に暮らしています。
 庭には、前の持ち主の頃に植えられたという高い木がたくさん茂り、ご主人が子どもたちと作ったツリーハウスも。この庭は、パン屋を訪れたお客さんにも開放して、のんびりパンを食べてもらったり、休日には近所の子供達がやってきて遊んだりし、多くの方に親しまれている素敵な空間です。梶谷さんに、宮田村暮らしや、村に構えたパン屋さんについてお話を聞きました。



移住の経緯を教えてください


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大学入学をきっかけに長野県に来て、卒業後もそのまま長野県で教職に就きました。その後7年間の教師生活を経て、主人との結婚をきっかけに家を持とうと、長野県内で家探しを始めたんです。最終的に、自分たちの思う条件に合う中古物件が見つかったのが宮田村だったことと、その土地の持つ明るいイメージから、ここに住むことを決めました。





宮田村ってどんな村だと感じますか?


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 山がきれいで空も開けていて、住んでいる人も含めて、明るい土地柄が好きです。大型店舗も多すぎず、派手すぎないというか、そういうところに居心地の良さを感じますね。
 駒ヶ根市と伊那市に挟まれて、大型店舗にもすぐいけますし、その一方で少し行けば自然環境も美しい形で残っている。村外から店に来てくださったお客様にも「いいところですね」と言っていただくことが多いです。



実際にすんでみて、住み心地はいかがですか?


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 村の規模が大きくない分、地域の方々とつながりやすいところに住みやすさを感じます。例えば子供の健診1つとっても、健診会場にいるお母さん方の数がそう多くないので、なんとなく顔を合わせるうちに知り合いになりやすいんです。周囲に誰も知り合いがいない状況でここに暮らし始めた私たちにとって、それはとても心強いことでした。





村に住んで、困ったことや戸惑ったことはありますか?


 地域の伝統的な行事、風習(お葬式やお祭り等)に関しては知らないことばかりだったので、やっぱり最初は戸惑いました。この家に住むまでは教員住宅に住んでいたので、そういった地域行事へ参加する機会もあまりなかったので余計に。
 でも地域のことに関しては、住んでいる人に聞くしかないので、「とにかく仲良くなるしかない!」と、地域の中に入っていくようにしました。教えていただくという気持ちを持っていると、皆さん温かく迎えてくださって、困るとすぐに助けてくださいました。若い世代が入っていくと喜ばれる、というのもあると思います。



田舎暮らしの秘訣は?


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 田舎暮らしは、地域の方と仲良くなってしまえば、良いことの方が断然多いと思います。子どもが回覧板を持っていけば、必ずといっていいほどお菓子なんかをいただきます。祖父母は今県外にいるのですが、ここにも子どもたちを孫のようにかわいがってくださる方がたくさんいて、本当にありがたいことです。そんな地元の人らに対し子どもたちも「おばあちゃん」なんて言って慕っています。





どのような経緯でパン屋開業に至ったのですか?


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 店を開業したのは4年前(2012年)です。もともと何かを作るということは好きで、近所の方から野菜を分けていただいたお返しに作ったケーキやお菓子を差し上げたりしていました。3人の育休を取らせていただいている間に、ドライフルーツなどから酵母を起こしてパンを焼く楽しさを知り、様々な本を読むうちにパンの世界にはまっていきました。家族や子育てを通じて知り合った友人たちが喜んでくれたのも大きなきっかけとなり、もしかしたら仕事にできるかもしれないと。

 自宅が通りからはちょっと入ったわかりにくいところであるため、お客様が来てくださるかもわからず不安はありましたし、親からも心配されました。初期費用はかけられなかったので、自宅の一部をお店にして、店の改装などを主人にやってもらったり、中古の機器をコツコツ探したりして何とか開業に至りました。主人や友人たちからの後押しがあってのことだったと感謝しています。
(※酵母は、開業するにあたりホシノ丹沢酵母を中心にしました。)


まめぱんやはどんなお店ですか?


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 パンには、村内の旬の農産物をできるだけ取り入れています。また、使う小麦は国産小麦にこだわっています。
 もともとは、ベーグルやカンパーニュなど、バター等の油脂類を使わないパンをメインにしたお店をと考えていたのですが、「やわらかいパンはないの?」、「甘いパンはないの?」と聞かれることも多く、そんな声に、自分の思うパンだけ売るよりもいろんな方に来てもらえるお店にしたいなと思うようになり、今はやわらかいパンや甘いパンなど、いろんな種類のものをお店に置くようになりました。

 「まめぱんや」という店名は、まめつぶのように小さな店で、まめまめしく働きたい、という意味でつけました。地域の方から「この店があってよかったな」と思ってもらえるような地元の人に愛される、そんなお店にしたいなと思っています。


移住を迷っている方へのアドバイスはありますか


 地域の方との関係を楽しむことができれば、暮らしはすごく快適だと思います。大きな公園など、子供の遊ぶところもたくさんあるし、保育園の心配もない。地元の食材を食べられるし、自然環境的にも子育て環境的にもすごく良いと思いますよ。


編集部から


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 まめぱんやの営業は、火曜と土曜の週に2日のみ(学校行事等で臨時休業もあり)。営業時間は、午前10:00~15:00頃まで(パンが売り切れ次第終了)。地元の方から大人気のパンは、売り切れ必至なので、お買い求めの際はお早めに。
 梶谷さんが丁寧にこだわって作るパンたちは、どれも食べ応え十分で、美味しく優しい味がしました。
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